子育て世帯におすすめの文京区ってどんなところ?学校事情は? 解説します

2019年の「住みよさランキング」で堂々の全国第2位となった文京区。
しかし、文京区、と聞いて、すぐにどんな場所なのかイメージできる方は少ないかもしれません。

今回は文京区の地形や交通の便、治安や人気のエリア、そして学校の情報について解説し、文京区の住みやすさ、子育て環境をチェックしていきます。子育て世帯を中心に文京区で不動産を探している方の参考になる情報をお届けしますので、どうぞ最後までご覧いただければと思います。

この記事を書いた人
高橋 恵衣

25年以上文京区在中。保育園はたんぽぽ保育園。小学校は湯島小学校。文京区で長い期間を過ごし、文京区(特に本郷・湯島)に詳しく、ナミエ・エステートに所属し、専属ライターとして不動産業に携わり、お客様に本郷・湯島の素晴らしさを伝える。

文京区ってどんなところ?

文京区は東京23区のほぼ中心にあります。皇居を中心とすると北方向にあり、俗に言う「山の手」と呼ばれる一角にあります。東京大学を筆頭にした学校が集まる文教地区と閑静な住宅街が区の大半を占めています。

外周は約21kmで、北区、荒川区、千代田区、新宿区、豊島区に接しています。面積は11.29㎢で、その広さは23区の中で20番目となっています。区の東端は湯島三丁目、西端は目白台二丁目でその距離は約6.098kmです。北端は本駒込六丁目で、南端は湯島一丁目でその距離は約4.068kmとなっています。

文京区の地形は?

文京区は多摩川が形成した扇状地を基にした武蔵野台地の東端に位置しています。神田川や千川、藍染川などで作られた低地帯と、関口台や小日向台、小石川台や白山台、本郷台の5つの台地と浸食でできたいくつもの谷で構成され、旧な勾配の坂がたくさんあり、名前がついてあるだけでも115個もの坂があります。文京区に住むと都内にいながら登下校するだけでお子さんがいつの間にか健脚に、ということもあり得るかもしれません。しかし、歩くのが苦手、足腰に自信がない、という方には文京区の坂は住みにくさを感じる要素と言えるでしょう。

文京区の交通の便は?

文京区は山手線の内側にほぼすっぽりおさまるエリアであり、そのどこからも新宿、東京、池袋30分圏内でいくことができます。JR線の駅がないものの、丸の内線、千代田線、有楽町線、南北線の4路線の東京メトロ、大江戸線と三田線と都営線の3路線が走っています。計7路線、合計15か所もの駅があり、大手町や銀座駅などのビジネスエリアはもちろん、他の都心への通勤には非常に便利で、共働き世帯が子育てする上でも安心して住むことができるエリアだと言えます。

文京区の治安は?

文教地区に指定されている地域は条例によってパチンコ店やキャバクラなど、風営法の対象となる商店には厳しい規制があります。そのため、文京区には一般的な飲食店は多いものの、パチンコ屋はほんの2,3軒があるのみで、繁華街や歓楽街と呼ばれるような地域がなく、閑静で治安が良いのです。犯罪発生率(犯罪者の人口比率)は23区内で最も低く、治安の良さは23区でトップクラスとなっています。また、通常の飲食店の閉店時間も23時頃と比較的早いところが多く、夜は静かであるため、子育て世帯や女性の一人暮らしでなども安心でしょう。

文京区で人気のエリアは?

文京区の駅周辺のマンションの騰落率(一定期間における価格の変化率)はランキングで上昇率ダントツのトップとなっている駅は「本郷三丁目」です。本郷三丁目駅は東京メトロ丸の内線と都営大江戸線が利用できます。本郷三丁目駅からは丸の内線で4駅、たった6分で東京駅に着くため、通勤にも非常に便利です。本郷三丁目駅の駅前は活気のある街並みが広がり、東京大学本郷キャンパスもあるため、ラーメン屋やカフェなどのリーズナブルな飲食店が数多くあります。駅の利用者も大学関連の方が多く、近隣も落ち着いた雰囲気が強いです。

騰落率ランキングで上昇率2位となっているのは「後楽園」駅です。後楽園駅は東京メトロ丸の内線と南北線が利用でき、都営大江戸線と三田線が利用できる春日駅ともつながっているため非常に便利です。後楽園は東京ドームの最寄り駅であり、東京ドームの近辺には飲食店が充実しています。また、ラクーアなどの人気施設があるのも魅力です。後楽園駅、そして、「春日」駅近辺は再開発されていて新しくマンションがどんどん建設されています。東京大学本郷キャンパスにも徒歩15分圏内と近く、学生や大学関係者にも非常に人気の駅となっています。

文京区の学校は?

文京区は日本有数の文教地区として有名です。江戸時代に設けられた湯島聖堂(湯島の孔子廊)は昌平坂学問所として幕府の官学を習得する場として開かれ日本の学校教育発祥の地と言われています。明治以降になると昌平坂学問所の跡地には官立の師範学校(のちの筑波大学)や東京女子師範学校(のちのお茶の水女子大学)が設立。本郷には帝国大学(のちの東京大学の)が設立されたのを筆頭に、たくさんの教育機関が設立されました。江戸時代からの「文の京」の名に違わず、現在も日本最高レベルの教育の地である文京区。2018年に東京都がおこなった学力調査ランキングでも72.1と23区内でトップとなっています。また、3S1Kと呼ばれる人気の公立小学校があります。平均的に教育レベルが高いとされる文京区において、この3S1Kの4校の学校施設や立地、教育プログラムの充実度は際立っていると言われています。さらに中学受験率も高く、70〜90%の児童が中学を受験するそうです。

3S1Kとは、以下の4校となっています。

6-1. 誠之(せいし)小学校
誠之小学校は明治8年(1875年)文京区内で3番目の小学校として尾後の福山藩、丸山中屋敷に設立された歴史と由緒のある学校です。戦前より有力者の指定が集まり、その多くが一高から帝大へと進む進路を取りました。近年は英語教育に熱心で1年生から英語の授業があり、学力向上フロンティアスクールにも指定されています。

6-2. 昭和小学校
昭和小学校は昭和4年(1924年)に開講された学校です。100年近い歴史ある学校で、校舎は平成9年(1997年)に建て替えられています。全6階建の大きな校舎で、屋上プール、ランチルームや冷暖房完備の体育館など、設備も充実しています。

昭和小学校では邦楽鑑賞教室や和楽器鑑賞教室などの日本文化理解や、アジア文化会館留学生との交流などを通した国際理解教育や伝統文化教育を行っています。また、外国語での活動は全学年で行われ、ALT(外国語指導助手)と一緒に授業をしています。

6-3. 千駄木小学校
千駄木小学校は明治42年(1909年)に開校した小学校で2019年に創立110年を迎えました。常に時代の流れに合わせた先進的な研究を推進し、モデル校としての役目を果たしてきました。千駄木小学校は理数フロンティア校に指定されていることもあり、算数の授業に力を入れ、学力別のクラス指導を行っています。

6-4. 窪町小学校
窪町小学校は大正15年(1926年)に開校した小学校で、2006年に鉄筋コンクリート5階建の校舎に建て直されました。教室にドアのない開放感のある作りで、最上位階には天井開放式のプールがあるなど、モダンな校舎で知られています。学校裏には「教育の森公園」があり、子どもたちにとって最高の遊び場所となっています。また、芸術感覚や運動能力養成にも力を入れ、月に数回音楽朝会や体育朝会が全校生徒で行われています。

また、文京区には都内に6校ある国立小学校のうち、3校があります。国立小学校はその受験資格に、「23区内に居住していること」が条件となっています。受験資格を得、しかも通学もしやすい文京区は、これら国立小学校への受験を予定するお子さんがいる家庭には非常に人気の区なのです。

国立小学校はいわゆる「教育実験校」であるため、その学校での研究の成果が文部科学省が策定する教育課程に反映されます。よって、国立小学校は教育内容の質の高さで知られているのです。つまり、日本最先端の高レベルは教育を、私立よりも格段に安い費用で受けられる学校が、国立小学校なのです。

文京区にある国立小学校は以下の3校です。

6-5. 筑波大学付属小学校
筑波大学付属小学校は文京区大塚三丁目にある明治6年(1873年)に、昌平坂学問所跡に東京師範学校の附属小学校として設立されました。

古くから教科担任生がとられ、各教科で教育研究が行われてきました。また、体育教育も徹底しており、授業前に「朝の活動」としてドッジボールや縄跳び、併設の日本庭園である「占春園」で走るなど取り組みもされています。

ちなみに、筑波大学附属中学校には内部進学入試を経て、上位8割程度の卒業生が進学できるようです。

6-6. お茶の水女子大学付属小学校
お茶の水女子大学付属小学校は明治10年(1877年)に東京女子師範学校附属小学校として設立されました。2013年に上皇の孫、悠仁親王が入学したことでも知られています。

ちなみに、お茶の水女子大学付属小学校からお茶の水女子大学付属中学校への進学率は70%ほどと言われています。

6-7. 東京学芸大学付属竹早小学校
東京学芸大学付属竹早小学校は明治33年(1900年)に創立されました。知育、徳育、体育と調和の取れた子供を育てることをモットーに、「自ら学び、ともに手を取り、生活を切り拓く子」の育成が教育目標です。卒業生の95%が東京学芸大学付属竹早中学校に進学するようです。

6-8. 文京区は区立学校選択制度を採用
また、文京区には区内に居住していれば校区外の中学校にも入学できる「区立学校選択制度」が導入されています。文京区で人気がある区立中学校は第六中学校、そして音羽中学校です。第六中学校は地下1階、地上7階建の新校舎が平成25年に完成し、電子黒板などの設備が充実しています。また、音羽小学校は平成21年に第五中と第七中が合併してできた新しい学校で、設備が充実していることが人気の秘密のようです。また、吹奏楽部やサッカー部、洲卓球部などの部活動で活躍も見せている学校です。

文京区の病院は?

大学の多い文京区は大学付属の病院や総合病院など、大規模な総合病院が多数あります。持病があったり、気になる症状があたりする場合でもすぐに病院が見つかるため、安心して住むことができるでしょう。いろいろな科の医師が連携し、死んだ因子治療を行ってくれるため、総合病院には大きなメリットがあります。また、土曜診療を行なっている病院もあり、共働きの世帯でも安心して子供が育てられるでしょう。とくに、新型コロナウィルスの蔓延以降はこのように総合病院の多い地区に住むことは非常に重要なことだと言えるかもしれません。

まとめ

文京区の地形や交通の便、治安や人気のエリア、そして学校の情報について解説し、文京区の住みやすさ、子育て環境をチェックしました。文京区は治安が良く、子育てには非常に良い条件の地域であることがおわかりいただけたのではないでしょうか?

文京区での不動産探しの参考になれば幸いです。

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